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2004年12月 6日 (月)

2005年2月「伊賀越道中双六 沼津の段」「嫗山姥 廓噺の段」

2月12日(土)(Bプロ) 2時30分から、5時半まで、
「伊賀越道中双六 沼津の段」(近松半二・近松加助=作)
「嫗山姥 廓噺の段」近松門左衛門=作

 なお、Aプロ、Cプロもそれぞれ魅力ある演目です。
 Aプロは、「源平布引滝 矢橋の段・竹生島遊覧の段・九郎助内の段」など。
 Cプロは、「壇浦兜軍記 阿古屋琴責の段」などです。[後述]

《伊賀越道中双六 沼津の段》
 「伊賀越道中双六いがごえどうちゅうすごろく」は、荒木又右衛門の敵討ちに題材を取った演目で、1998年4月と5月、大阪と東京でそれぞれ通し狂言として上演されました。
 中でも沼津の段は、敵討ちの主筋とは外れていますが、人気の演目で、住大夫師匠も『文楽のこころを語る』の中で、好きな浄瑠璃の一つにあげています。現在住大夫師匠の相三味線を務める錦糸さんの襲名披露も、上記の1998年の公演の中で行われました。素浄瑠璃でも何回か語り、CDも出ています。

《伊賀越道中双六 粗筋》
 妻の弟で岡山藩士の渡辺数馬を助けて行われた、有名な荒木又右衛門の伊賀上野の仇討ちに題材を取ったもの。「道中双六」の通り、東海道を京都に向かう宿場ごとにさまざまなエピソードが展開する。全段のヤマ場である「沼津」は、浮世の義理から敵同士に別れた親子の苦悩と死を描き、太夫の実力が問われる場である。

 足利家の家臣・和田志津馬は、同僚の沢井股五郎の奸策にかかり、役目をしくじった上、父親を殺される。志津馬の姉・お谷の夫で剣客の唐木政右衛門は、大藩の師範役を断り助太刀に加わる。
[沼津の段]
 股五郎をかくまう出入りの呉服屋十兵衛は、沼津の宿で雲助平作の家に泊まるが、平作は実の父親で娘のお米は志津馬の恋人だった。お米は傷を負った志津馬のため、十兵衛の持つ妙薬を盗もうとし、これがきっかけで平作一家と十兵衛の関係が明らかになる。
 薬を残して立ち去る十兵衛を平作が追い、股五郎の行方を教えるよう頼むが、拒まれる。平作は腹を切り、十兵衛は物陰のお米に聞こえるように秘密を明かす。

 岡崎の宿では、股五郎の許婚の父で政右衛門の剣の師匠である山田幸兵衛のもとで、政右衛門と志津馬がおちあう。ところが折悪しくお谷が乳呑み子を抱いてやってくる。素性を隠すため、政右衛門はお谷を追い返し、わが子を刺殺する。
 幸兵衛は二人の正体を見抜くが、義心に感じて股五郎の居所を告げ、これを手がかりに仇討ちとなる。 

 派手な仇討ち物語を描いているようで、仇討ちを親子の愛を引き裂く、むごく空しいものとする。

《源平布引滝》
 「平家物語」「源平盛衰記」の世界を題材にする。作者は並木千柳と三好松洛と言われる。

 源義朝滅亡後、その弟の木曽の義賢が源氏再興を図り、その子義仲が兵を率いて都へ上がる筋立て。平家の武将ではあっても、かつて源氏に領地を与えられたこともある斎藤別当実盛という武将が主人公。
 平家に攻められた木曽義賢が討ち死にし、そのとき懐妊中だった義賢の妻葵御前は、源氏に心を寄せる九郎助の一家に助けられて都を逃れる。
[九郎助内の段]
 琵琶湖畔の九郎助の住家。葵御前はこの家に隠れて臨月を迎えるが、そこへ平家の侍瀬尾太郎と斎藤実盛が、乗り込んでくる。葵御前の子が男なら殺す所存である。しかし実盛は心ひそかに解決の方法をさぐる。切羽詰まった九郎助は、湖でひろった女の片腕を差しだし、葵御前が産んだのはこれだと言い張り、唖然とする瀬尾を実盛は言いくるめる。
 ところが九郎助の娘小万が、右腕を斬られた痛ましい姿となって運び込まれる。やがて源平の合戦が再び起こるとき、実盛は小万の息子太郎吉と対戦することを約束して立ち去る。

《壇浦兜軍記》
 現在上演されるのは「阿古屋琴責の段」のみ。音楽による裁判劇。
 平家が滅び、侍大将・景清の行方を尋ねるため、景清の愛人、五条坂の遊女阿古屋が取り調べを受ける。源氏方の重忠は、琴・三味線・胡弓を阿古屋に演奏させ、その調べに全く乱れのないことから、彼女に嘘がないことを知る。
 阿古屋は、音楽によっておのれの心の奥底を語る。権力に抵抗する遊女の意気地と、景清に寄せる愛。
 各役割を大夫が演じ分けるが、阿古屋は美声の大夫が語るのが通例。1980年5月に竹本越路大夫が語っているが、1999年1月以来豊竹嶋大夫が語ることが多い。今年1月大阪公演も嶋大夫。

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