2005年12月14日 (水)

2006年2月公演「天網島時雨炬燵」

 2月公演は人間国宝も出演しますし、文楽界は住大夫師匠の文化功労賞受賞や、三味線の鶴澤燕二郎さんが六世鶴澤燕三(人間国宝)の名跡を継ぐ(お披露目は5月)ことになったりと話題もいろいろです。

 近松門左衛門作「心中天網島(しんじゅうてんのあみじま)」の改作(近松半ニ)「天網島時雨炬燵」2月25日(土曜日)第三部を、午後5時半から8時半ころまで、5,700円です。

 第2部が曽根崎心中(玉男さん無理かも)なのでちょっと迷いましたが、住大夫師匠お得意の「北新地河庄の段」、東京では1993年以来というものなので聞き逃せないと考え、こちらに決めました。

[演目について]

 この演目は有名なので、紹介を省きますが、「上方芸能」編集部の広瀬依子さんの「はじめての文楽」にあった「文楽の男~町人篇」にある記述を紹介します。
http://blog.kansai.com/hirose+category+1

 世話物は町人が主人公です。文楽では、やさ男風の、ちょっと情けないぐらいの人物がよく登場します。特に、近松門左衛門の心中物に出てくる男たちは、その傾向が強いのです。『心中天網島』の治兵衛は、妻・おさんの協力で馴染みの遊女・小春を身請けします。おさんも、喜んで力添えしたわけではありません。無理やり二人を別
れさせたら、小春はきっと死を選ぶだろう、小春を死なせるわけにはいかないという苦しい気持ちだったのです。しかし、治兵衛は結局小春と心中してしまいます。
 私がこの作品に出会ったのは高校時代。文化祭の演劇上演作品を探している時でした。女子校だったので男性も女性が演じたのですが、皆の反応は「治兵衛って、頼りないなあ」。おさんの心がなんでわからへんのやろ。おさんの気持ちを汲まずに心中してしまうとは、どういうこと? 人生経験も少なく結婚したこともない18歳の女
子高生でさえ、治兵衛の行動は子どもっぽく見えました。ふたりの心中についても、若い女性らしい憧れの気持ちを洩らす人は皆無でした。
 [中略]
 現実にこんな男性がいたら、困ってしまうかもしれませんね。しかし、そうでないとドラマは生まれません。安定した環境や性格、淡々とした日常に悲劇は起こりにくいものです。時代物の場合、戦乱という非日常の世界を描けますが、世話物は市井の生活が舞台ですから、何かスパイスのようなものを入れないと劇的な展開は難しいの
です。
 けれども、彼らは自分の気持ちに一途です。武将にとっては本心をちらりと覗かせる部分も、ストレートに表現します。
 ちょっと情けないけど、わかりやすくて気取っていなくて、かわいげのある男。世話物の男たちは、そんな飾らない姿を見せてくれます。

[2月国立劇場小劇場 文楽公演]
2006年2月11日(土) ~ 2006年2月26日(日)

第一部(11時開演)
御所桜堀川夜討
   弁慶上使の段
関取千両幟
   猪名川内より相撲場の段


第二部(2時開演)
小鍛冶
曽根崎心中 生玉社前の段
  天満屋の段
  天神森の段


第三部(5時開演)
天網島時雨炬燵
  北新地河庄の段
  天満紙屋内の段
  道行名残の橋尽くし

| | コメント (0) | トラックバック (0)