2010年10月 5日 (火)

2010年9月文楽公演

 18日土曜日、一部二部と欲張りました。

 第一部良弁杉由来、綱大夫さんがこの公演の始まりは休演だったのが、この日は出演していました。綱大夫さんは、一時声が出ない状態が続いていましたが、だいぶよくなっているように聴きました。
 鰯売恋曳網は、文楽としては最初の上演ですが、楽しめました。

 第二部勢州阿漕浦は、住大夫師匠は素浄瑠璃としては過去2回語ったことがあるのですが、人形とともに語るのは初めてということです。最近ちょっと体力が心配な面がありましたが、この日は、引退はまだ先だと感じました。
 桂川連理柵、発端から上演するのは珍しいようですが、やはりその方がわかりやすいと思います。嶋大夫さんは、ちょっと元気よすぎるように思いました。

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2005年2月23日 (水)

2005年5月「伽羅先代萩」「桂川連理柵」

《5月文楽公演の演目》
5月21日(土)<第二部>4時30分から
 演目は
   伽羅先代萩めいぼくせんだいはぎ=松貫四・高橋武兵衛・吉田角丸作
     竹の間の段
     御殿の段
     政岡忠義の段
     床下の段

   桂川連理柵かつらがわれんりのしがらみ=柵菅専助作
     六角堂の段
     帯屋の段
     道行朧の桂川

 なお、<第一部>11時は
   近江源氏先陣館=近松半二・八民平七・松田才二・三好松洛
        竹田新松・近松東南・竹本三郎兵衛作
     和田兵衛上使の段
     盛綱陣屋の段
   冥途の飛脚=近松門左衛門作
     淡路町の段
     封印切の段
     道行相合かご
ということで、こちらも魅力的です。

《伽羅先代萩》
 歌舞伎・映画でも有名な演目で、2000年の東京公演でも住大夫・錦糸コンビで上演されていましたが、この時は「絵本太閤記」を選択したので、初めての方が多いと思われます。

 仙台藩伊達家のお家騒動(いわゆる伊達騒動)を扱った浄瑠璃で、奈河亀輔作の同題名の歌舞伎脚本などをもとに作られた九段続きの時代物です。中心となる六段目「御殿」は、歌舞伎とともに上演頻度が高い段ですが、今回は半通しとなります。

《伽羅先代萩粗筋》
「竹の間の段」
 お家横領を狙う一味に荷担する八汐らの企みや、幼君鶴喜代の食事を乳母政岡が吟味して、毒殺から守っていること、政岡に対する鶴喜代の全幅の信頼などが描かれます。

「御殿の段」
 政岡が鶴喜代のために茶の湯の道具を使ってご飯を炊くところで、「飯炊き」と呼ばれる一番の見どころ、聞きどころです。政岡の子、千松の「お腹がすいてもひもじゅうない」の詞はよく知られています。
 奥州五十四郡の国主の江戸屋敷でのできごとという品格が要求され、政岡には、若君の乳母たる性根を忘れてはならないと言われています。筋の展開としては起伏に乏しく、内面的な表現が要求される難しい語り場です。

「政岡忠義の段」
 毒菓子の出現、取って食べる千松、これを殺す八汐、企みを明かす栄御前、そして殺そうと向かってくる八汐を成敗してわが子の復讐を遂げるまで。政岡の、栄御前が去って一人になってからの、わが子の死骸を抱き締めてのクドキ、それまでこらえにこらえていたものが、ほとばしり、大変深い感動を与えます。

「床下の段」
 松ヶ枝節之助が大鼠を踏まえてせりあげで登場、最後は貝田勘解由(歌舞伎の仁木弾正)が悠然と宙乗りで引っ込みます。歌舞伎の影響を受けた場面で、劇場の機構を駆使しての舞台となります。

《桂川連理柵》
 東京公演は1997年、住大夫・錦弥(現錦糸)で「帯屋の段」を上演していましたが、日程が合わなかったようで、これも初めての方が多いと思います。
 中年男性と少女の心中事件、実は二人は殺害され、心中と見せかけて川に流されたものでしたが、この事件をもとにした世話物です。
《桂川連理柵粗筋》
「帯屋の段」
 帯屋の後妻おとせは隠居の繁斎がおとなしいのをよいことに、連れ子の儀兵衛と共に帯屋の台所を好きなようにしていました。
 妻思いで誠実な長右衛門は、ふとしたことから隣家の二回りも年下十四歳の娘お半を妊娠させてしまい、一人苦悩しています。しかも、大名から預かった刀を失い、進退窮まって自害を決意したところ、継母おとせと連れ子儀兵衛から、店の金を盗んだと詰め寄られ、お半との仲を言いふらされます。
 夫を守ろうと心を砕く妻お絹や、味方である養父繁斎の深い思いやりに、ますます自己を責め、苦しむ長右衛門でした。
 やがて、嫁入りを嫌ったお半が川へ身投げに向かうと、一緒に死のうと、あとを追うのでした。
 窮地に立たされた夫婦の深刻な物語ですが、洟垂れ丁稚と連れ子の滑稽で賑やかなやりとりが、大いに笑いを引き起こし、夫婦や養父の情愛と苦悩をより際立たせます。

「道行朧の桂川」
 お半と落合った長右衛門は前世の因縁を感じて、共に身を投げるべく川上を目指すのです。

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